「ebay輸入をやる上で、古物商って必要ですか?? とらなきゃダメですか???」
という質問をされることがあります。
今回はそんな古物商に関するお話です。
この記事では、ebay輸入で古物商許可証が必要かどうかだけではなく、古物商をとる上での注意点や、とったことによるメリットまですべて解説させていただきます。
輸入販売に古物商は必要ない
結論から言いますと、ebay輸入をやる上で古物商の取得はマストではありません。
というよりも、海外から商品を輸入して、国内で販売するのに古物商の許可は必要ない、と言った方がいいですね。
古物商許可証は、
国内で、「一度、使用する目的で人の手に渡ったものを仕入れて販売する時」に必要となるものです。
平たく言うと、国内で中古品を仕入れて販売する際に必要となるということですね。
つまり、家電量販店やホームセンターから新品を仕入れて販売するような手法には古物商の許可は必要とされません。
しかし、同じ新品未使用の商品であっても、一度誰かが、実際に使用するために購入したものを仕入れるためには古物商の許可が必要となります。
リサイクルショップなんかでは、新品未使用品が販売されていますが、仮にそれを仕入れて売るとするならば必要となるということです。
当然メルカリやヤフオクで、個人の方が出品している新品未使用品を仕入れる際にも古物商が必要となります。
さて、なんで、こんな古物商の許可という制度が出来ているかというと、古物営業法という法律の第一条を見ると、その理由が分かります。
(目的)第一条 この法律は、盗品等の売買の防止、速やかな発見等を図るため、古物営業に係る業務について必要な規制等を行い、もつて窃盗その他の犯罪の防止を図り、及びその被害の迅速な回復に資することを目的とする。
要するに、古物市場では、盗品が販売されることが簡単に考えられるので、古物を販売している業者に届け出と許可を受けさせることで、もし盗品が出回ってしまっても、その発見を早くできる。それが被害者の被害を早く回復することにつながる。そのために古物商許可証があるということですね。
そして、この法律の目的から考えると、海外から商品を仕入れる場合は、古物商の許可がいらないということが分かります。なぜなら、この法律自体が、国内の被害者の救済が目的であって、海外の被害者の救済は想定されていないからです。そもそも、海外の犯罪に対して、日本がどうこう言うことは出来ませんから、当然です。
そのため、海外から商品を仕入れ売る場合は古物商の許可は必要ないということができます。
それでも古物商の許可をとってよかった
私はebay輸入以外の副業はやっていないのですが、古物商の許可を持っています。
その理由ですが、今後国内から仕入れることもあるかもしれないから、一応とっておこうという意味合いもあります。しかし、ebay輸入においても古物商許可証を持っていることは、商売をやっていく上で役に立つと考えたことが一番の理由です。
どういうことかというと、古物商許可を持っていると、一気にプロっぽくなり、信用度がアップするからです。
輸入販売に古物商の許可がいらないとは言っても、そのことを知っている人は非常に少ないですし、お客さんからすれば関係のない話です。
お客さんから見ると、古物商許可を持っているというだけで、「きちんとした商売をしているんだな」という印象を持っていただくことができ、安心して購入していただけるようになります。
現に、古物商の許可をとってから、「古物商をもっていらっしゃるということで、教えていただきたいことがあるんですが・・・」という質問をお客さんからされるようになり、それが取引につながったこともあります。
お客さんだけではありません。取引先にも信用されやすくなります。
私が日本政策金融公庫から、事業資金の貸し付けの審査を受けた際に、古物商の営業許可は持っているかと確認されました。
本来輸入販売に必要ではないにもかかわらずです。
おそらく、持っていないと答えていたら、担当者が私に持っている信用度はダウンしたと思います。
この経験からも、もし輸入販売であっても、商売人としての信用を得るために古物商許可は得ておいた方がいいと強く思いました。
そのほか、ebay輸入をやっていると、国内の業者さんから商品をご購入いただくことがあるのですが、その際にも古物商の許可を得ていると、信用されやすくなります。
相手からすると、我々が輸入販売を行っていると言っても、どこから仕入れているかは分からないわけですから、当然のことですね。
仕入れ先が分からない以上、海外から仕入れたと言っても、実は国内から仕入れていた、ということも考えられますし、それが盗品だったら面倒くさいことになりかねません。
ですので、ebay輸入であっても、ある程度本格的に商売をやっていくのであれば古物商の許可はあった方がいいというのが私の考えです。
大体月の利益で10万円を超えてきたら、考え始めてもいいでしょう。
古物商の許可を得るのは簡単じゃない場合がある
さて、古物商の許可を得るためには、自分が住んでいる地域を管轄している警察署に書類を提出して、2万円くらいのお金を支払う必要があります。
書類に関しては、簡単に入手できるものがほとんどなんですが、人によって入手の難易度が非常に高くなるおそれがあるものが、1枚だけあります。
それは、賃貸物件に居住している場合の、大家さんの許可を証明できる書類です。
古物商の許可を得るには、営業所をどこにするのかを届け出る必要があるのですが、多くの方は自分が住んでいる家を営業所とするでしょう。
しかし、その物件が賃貸で、しかも大家さんが営業所としての利用を許可していない場合、勝手に営業所として届け出るとトラブルが起こります。
以前は、警察署は大家さんの許可を求めなかったそうなんですが、勝手に営業所として自宅を登録して、大家さんとトラブルになることが近年激増したそうです。
そのため大家さんの許可を古物商の許可を得る条件としている警察署が増えているとのことでした。
増えているという表現にしたのは、住んでいる地域によっては、許可が必要ない場合もあるからです。
実際に、私が住んでいる地域の警察署は、大家さんの許可が必要でしたが、となりの地域の警察署に問い合わせた所、「許可を得ていることが望ましいが、証明する書類は必要ない」という回答でした。
ですので、大家さんの許可が必要かどうかは、住んでいる地域によって違いますので、管轄の警察署に問い合わせましょう。
もし、必要だった場合、大家さんの許可が必要となるんですが、意外と大家さんは物件を営業所として登録することを嫌がります。それが、賃貸物件に居住している人の古物商許可のハードルを高くしているのです。
大家さんが物件の事務所利用を嫌がる理由
貸している物件を、営業所として利用することを事務所利用と言ったりします。
なぜ大家さんは物件の事務所利用の許可を嫌がるのか。
その理由は、不特定多数の人が、事務所に出入りをすると、居住者の平穏な生活が乱されるからです。
「いや、ネットを使ったビジネスだったら、そんなことないだろ???」
と思ったあなた。その通りです。しかし、
大家さんは事務所利用という単語に、ネットビジネスを全く想定していません。
大家さんが物件の事務所利用として想定しているのは、例えばそろばん教室や書道教室、士業の事務所、お店などのことなんですね。
そういった場合には、不特定多数の人がいつもいつも、物件を出入りすることが考えられます。
そのことが、住んでいる人々の迷惑になり、平穏な生活を乱されて、結果入居者が集まりづらくなるのではないかという心配をしているわけです。
試しに賃貸物件の検索サイトで、事務所利用可の物件を検索してみてください。ヒットする数が一気に減ります。私が住んでいる地域で検索すると、何百件もあった物件が、たった数件に減ってしまいました。
もちろん、今住んでいる物件の大家さんが、すんなり事務所利用を許可してくれるのであれば何の問題もありません。
しかし、もし許可が出ないのであれば、インターネットを使った商売で、不特定多数の出入りはない。看板も設置しない。などを丁寧に丁寧に説明して許可をもらう必要があります。
これがかなり古物商の許可を得るための高いハードルになり得るのです。
もし許可を得ることが出来なければ、実家が持ち家で、近くにあるのであれば実家を営業所として届け出るという方法もありますが、
それが出来ないのであれば引っ越しを視野に入れるしかないでしょう。
私の場合は、引っ越しをするタイミングと古物商をとるタイミングがたまたま重なったので、
・事務所としての利用はOK
・ただし、外に看板は出さない
・引っ越しをする場合は、必ず営業所が移ったという手続きを、もれがないように全て行う
・事業で出たごみに関しては、自分で処分すること
という条件で契約をし、警察署には、その時の契約書のコピーを提出して無事許可をもらいました。
おまけ 会社にバレない???
古物商の許可をとって、会社にバレるんじゃないかという心配をする方もいますが、バレる心配はありません。
特に古物商の許可をした、という情報が、外部に漏れることはないからです。
古物商の許可をとったあと、自分の名前をグーグルで検索してみましたが、古物商として登録しているという情報は出ていませんでしたので、
自分の口から言わない限り、バレることはないでしょう。
まとめ
もし、インターネットでモノを販売する商売をするのであれば、古物商の許可は得ておいた方がいいです。
あるかないかで事業主としての信用度が違ってきます。
基本的に申請をすれば難しいことなく許可を得ることが出来るのですが、この記事でお話ししたように、人によってはかなり大変で労力がかかる場合がありますので、注意してください。