今回は、前回に引き続き、私が実際に受けたお客さんからのクレームとトラブルについて書いていきます。
前回の記事はこちらです。
お客さん、パーツを捨ててしまった事件
これは、私がまだ初級者だったころの話です。
販売したのは、いくつかのパーツに分かれている商品でした。
梱包、発送後、お客さんから受け取りの連絡があり、いい評価もいただいて無事取引は終了。
しかし、評価をもらってから1週間後、事件は起きました。
突然お客さんから電話がかかってきて、
「パーツが足りない。ちゃんと全てを同梱したのか」
との連絡。
いい評価をもらっていたにも関わらず、突然クレームが来たわけですから、訳が分からないまま話を聞いてみると、
・パーツが足りないことに気づかず、商品に問題がないように見えたためいい評価をつけた
・しばらく商品を眺めていると、「何か違うなぁ」という違和感があったが、違和感がしばらく分からなかった
・1週間後、パーツが1つ足りないことに気づいた
・私が送った際に使用した、箱及び梱包資材は全て受け取った日に捨ててしまった
ということが分かりました。
どうやらお客さん自身が、パーツが同梱してあることに気づかず、本体のみを箱から取り出してあとは全て処分してしまっていたわけですね。
これには困りました。
こちらとしては、もうすでに商品をお客さんに問題なく届けているということですので、パーツの紛失はお客さん側に責任があるはずです。
しかし、お客さんの言い分としては、
「箱も汚かったし、梱包資材も大量だったので、すぐに捨てたかった」
とのこと。
確かに私は、箱については新品を使わず、再利用した段ボールを使う事もありますし、梱包資材も破損を防ぐためにこれでもかと大量に使用します。
そして、そのことについては発送時に必ず、
箱は再利用品。破損を防ぐため、梱包資材も大量に使っている。ゴミになってごめんなさい。
というメッセージは添えていました。
再利用した箱と、しっかりとした梱包が、今回のパーツの紛失の原因の一部のように思えたため、少し申し訳ないと思いながらも、「こちらはもう商品は届けておりますので・・・ごめんなさい」と返品や返金についてはお断りしました。
お客さんとしては100%納得がいかなかった部分もあるようでしたが、ご自身が確認を全くせずに全て捨ててしまったことについては負い目があったのか納得していただきました。
ただ、その際に、「パーツがあるという手紙くらい入れておいてもいいじゃないか」とおっしゃられたことに対しては確かにそれくらいの気遣いは必要だったな、と学びました。
その後、パーツがいくつか分かれている商品を販売する際は、その旨を紙に書いて分かりやすいところに入れるようにしています。その後、同じようなクレームは一度も頂いてませんし、むしろお客さんから感謝されるようになりました。
気づかいの大切さを深く学んだ事件でした。
言いがかり詐欺未遂事件
とあるアンティーク商品を販売したときの事です。
発送後、突然お客さんから連絡が来ました。
「これは、偽物である可能性が高い。」
個人的に、その商品は本物であるということで確信がありましたので、なぜ偽物だと思うのかと話を聞いてみることにしました。
なんでもお客さんが言うには、
・100年以上前のものにしては、あまりにもきれいすぎる。アンティークであるならば、どんな商品であっても、劣化していくはずだし、特有の傷ができるはずだ。
・もし鑑定に出すとなると、大阪の産業技術研究所に年代の鑑定を依頼することになるが、その際の鑑定料は7万円かかることになる。
とのことでした。鑑定を研究所に出すなどということはきいた事がありませんでしたので、ほぼ言いがかりとは思いながらも、お客さんの要求をきいてみると、
真贋不明という事で、一部返金か、返品を希望するとのこと。
めんどくさかったので、返品でいいですと返品の対応をしました。
その後、お客さんの指定した研究所に直接電話で問い合わせをしてみたところ、案の定、アンティーク品の年代鑑定などやっていないとのこと。
要するにそれらしい研究所なんて、なんかすごそうな名前と高額な鑑定料の話題をだして、相手をビビらせて、あわよくば一部返金を受けて安く商品を手に入れようとしていた詐欺師だったわけですね。
実際に驚いて、返金に応じてしまった方も一定数いるのでしょう。
返品された商品が届いたのち、その詐欺師から再度連絡があり、
「あなたは誠実な人だ。ぜひこれからも取引をしたい。私たちは日本にある大使館に長年アンティーク商品を納品している専門業者で○○商会と言います」
と、今後の直接取引を持ちかけてきました。
ご丁寧にホームページまで教えていただき、確認した所、確かにそういう名前で活動しているようだったんですが、
そのホームページ、10年前くらいから存在しているように見せかけてるんですが、明らかについ最近作られたものであることが丸バレだったんですね。
つまり、その後直接取引に持ち込んで、私から何かをだまし取ろうしていたということなのでしょう。
ここからは憶測なんですが、多分、
・大使館から依頼を受けたとか言って、かなりの高額な取引を持ち掛ける
・その際に、納品が先で支払いを後にしてほしいと言う
・実際に納品をすると、なんだかんだ理由をつけて支払わない
といった詐欺行為を働くつもりだったんじゃないでしょうか。高額な取引だと、心動かされる人もいるかもしれません。
その後、詐欺師からは頻繁に電話がかかってきましたが、全て無視しました。
しばらくして、その詐欺師のヤフオクIDは停止処分となり、ホームページも消えてしまいましたが、
何が起こったのかは分かりません。
もしかしたら他の人が何らかの被害を訴えたのかもしれませんが・・・
研究所だの、大使館だの、何かすごそうな名前を出して、相手を丸め込んでだまそうとするような人もいるんだなぁ・・・と驚かされた出来事でした。
もし私が初心者や初級者だったら、驚いてだまされていたかもしれません。
本当にごくまれにこういった悪質な方に出会いますので、皆さんもご注意ください。
その他、理不尽と感じた返品理由
商品の返品を望まれるお客さんは、販売する私たちに一定の責任があり、
「それはもっともですね!」
となるケースが非常に多いのですが、それでもたまに、「え???」という返品があります。
個人的にインパクトがある返品理由は2つです。
(1)奥さんから言われた一言
お客さんの中には、そもそもアンティークを購入すること自体、奥さん(旦那さん)によく思われていないという事情がある方もいらっしゃいます。
奥さんに怒られたから返品、ということもごくごくまれにあるようなのですが、
個人的に奥さんがらみで衝撃的だったのは、
奥さんから、「こんなリサイクルショップにあるのと見分けがつかないようなものを買うな!」
と怒られたというケースですね。
アンティークに興味のない方にとっては、作品がそこら辺にあるものと全く同じに見えるというのは分かります。
私も奥さんに、「こんなもの、お金もらっても欲しくない!」とよく言われますので笑
個人的にリサイクルショップという単語が妙にツボにはまってインパクトがありました笑笑
(2)一周回ってしょうがない
私の中で最も理不尽で意味不明すぎて、一周回って「これはしょうがないな」と思った出来事です。
「商品が届いた。確認したところ、返品したい」
とりあえず理由をきこうと、お客さんに電話。
「この度は、ご満足いただけない商品を販売して申し訳ありませんでした。差し支えなければ、返品の理由をうかがいたいんですが・・・?」
「魔力がなくなっているからです」
「えっ・・・!?」
一瞬思考が停止しました。
「私は占星術をやっているんですが、この商品から魔力を感じません。だから返品したいです。」
あまりに予想外で、意味不明な返品理由に、私は必死に考えて、こう答えました。
「魔力がなくなってるんじゃ、しょうがないですねぇ・・・」
結果、返品と返金を受け付けて、「あなたの対応はすばらしい!必ずまたあなたから購入する!!」
と大変お褒めをいただいたので、「今度は魔力をビンビンに感じる商品用意しときますね!!」と笑顔で対応したのですが、
もう二度と関わりたくありません笑
まぁ魔力のない商品を売ってしまった私が悪いのですが、個人的に最もインパクトのあった出来事でした。
最後に
今回、前編、後編に分けて、私が実際に体験したお客さんとのトラブルを紹介させていただきました。
これまで、1000件くらいの取引をさせていただきましたが、本当に困ったり、理不尽さを感じたトラブルは、今回紹介させていただいたものくらいです。
ですので、本当のクレーマーや困ったお客さんなんて、極まれです。それほど心配する必要はないと言えるのではないでしょうか。
今回の記事は、これを読んだ方が、理不尽なトラブルにあったときに、解決の一助になればいいなと思って書かせていただきました。
今回の記事があなたの手助けになれたなら、うれしく思います^^